ものもらいの原因と注意事項

ものもらいは子どもにも身近な目のトラブルの一つです。まぶたの一部が赤く腫れて痛むため心配になりますが、名前から想像されるような「人からもらう病気」ではありません。ものもらいの原因や症状、正しい治し方を知っておくことで、いざというときにも落ち着いて対処できます。
今回は、小学生のお子さんを持つ保護者の方向けに、ものもらい(麦粒腫・霰粒腫)の原因と症状、家庭でできるケア方法や眼科受診のタイミングについて、丁寧にご説明します。
原因:ものもらいができるのはなぜ?
ものもらいとは、まぶたにある分泌腺(汗腺や脂腺)にバイ菌(細菌)が入り込み、化膿したり詰まったりしてまぶたが腫れる病気です。

主な原因菌は黄色ブドウ球菌など、人の皮膚に普段から存在する常在菌です。健康な状態では悪さをしませんが、疲れや睡眠不足、ストレスなどで免疫力が低下したり、目の周りが不衛生な環境になると菌が急激に増殖し感染を起こします。
ものもらいには大きく2種類あり、原因によって「麦粒腫」と「霰粒腫」に分けられます。麦粒腫はまぶたの毛穴や汗腺・脂腺に細菌が感染して炎症を起こした状態で、赤みや痛みを伴うのが特徴です。一方、霰粒腫はまぶたにあるマイボーム腺(脂を分泌する腺)が詰まって生じるしこりで、麦粒腫と違って痛みがあまりありません。一般的に「ものもらい」と呼ぶ場合、痛みを伴う麦粒腫を指すことが多いですが、症状から区別が難しい場合もあります。
子どもがものもらいになりやすい理由として、以下のような点が挙げられます。
- 目をこすりやすい
- 手についた雑菌が目に入りやすくなります。
- 外遊びで汚れが付きやすい
- 砂遊びなどで目の周りが不衛生になりがちです。
- 免疫力がまだ弱い
- 大人に比べ抵抗力が弱く、感染症にかかりやすい傾向があります。
これらの理由から、子どもはものもらいができやすいと言われます。生活リズムの乱れや季節の変わり目の体調不良なども誘因となるため、日頃から手洗いや十分な睡眠を心がけることが大切です。
症状:赤み、腫れ、痛みなど
上まぶたにものもらい(霰粒腫)ができると、赤く腫れることがあります。
ものもらいの典型的な症状には、まぶたの赤み・腫れ、押さえると感じる痛み、膿(うみ)や目ヤニが出る、などが挙げられます。特にまばたきをすると目にゴロゴロとした違和感を覚えるのが特徴です。お子さんの場合、痛みやかゆみから目をこすってしまい症状が悪化することもあるため注意が必要です。

典型的なものもらいの症状は次のとおりです。
- まぶたが赤く腫れて熱っぽくなる
- まばたきすると痛みを感じる
- 目がゴロゴロする異物感(まばたき時の違和感)がある
- 膿や粘り気のある目ヤニが出ることがある
- 場合によっては目がかゆくなったり白目が充血することもある
症状の程度には個人差がありますが、腫れが強い時期はまぶた全体が腫れぼったくなることもあります。膿が溜まってくると、まぶたの皮膚側(麦粒腫の場合)や裏側の結膜側(霰粒腫の場合)に黄白色の膿の点が見えることがあります。お子さんが「目が痛い」「ゴロゴロする」と訴えたり、まぶたの腫れに気付いたら、ものもらいを疑って様子を観察しましょう。
よくある質問
当院へご相談ください
お子さんのまぶたが大きく腫れて痛みが強い場合や、2〜3日経っても症状が良くならない場合は、早めに眼科を受診しましょう。
ものもらいの治し方(治療法)としては、まず抗菌成分が入った目薬や眼軟膏による薬物療法が基本です。深見眼科でも症状に応じてお子さまに適した抗菌目薬や内服薬(飲み薬)を処方し、まぶたの炎症を抑えていきます。

症状が強く膿がたまっている場合には、まぶたを局所麻酔して小さく切開し、膿を出す処置(切開排膿)を行うこともあります。自然に皮膚が破れて膿が出るのを待つと、傷跡が残ってしまう場合もありますので、必要に応じて小さなお子さんでも切開処置を行います(当院にて日帰りで対応可能です)。処置後は再度抗菌薬の点眼や軟膏でしっかり治療を続け、再発を防ぎます。
早めに適切な治療を行えば、ものもらいは通常1週間程度で治ることが多いです。逆に治療が遅れてまぶたに硬いしこりが残ってしまうと、完治までに数ヶ月かかることもあります。また、「そのうち治るだろう」と放置していると感染が広がって悪化し、結局切開手術が必要になったり、細菌が奥に残って再発を繰り返す恐れもあります。
お子さんのつらさを長引かせないためにも、違和感に気づいたら早めに眼科で診察を受けることが大切です。

