白内障とはどんな病気？
白内障とは、目の中でカメラのレンズにあたる水晶体が白く濁ってしまい、視界がぼやけたりかすんだりする病気です。主な原因は加齢によるもので、高齢者に多く見られます。
実際、白内障の発症原因の約90%は加齢によるものとされ、早い人では40代から症状に気づく場合もあります。
白内障は進行性の病気であり、一度濁った水晶体が自然に元の透明な状態に戻ることはありません。年齢とともに誰にでも起こりうる身近な目の変化で、例えば80代ではほぼ100%の人に白内障の濁りが認められるとも報告されています。放置すると徐々に視力が低下していきますが、手術によって視力を改善させることが可能です。
白内障の主な種類（分類）
白内障にはいくつかの種類があり、その原因によって分類されます。以下に主な白内障の種類を挙げ、それぞれの特徴を説明します。
- 加齢性白内障（老人性白内障）
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最も多いタイプで、加齢による水晶体タンパク質の変性が原因です。中高年以降に発症し、年齢を重ねるほど発生率が高まります。50代で約半数、60代で約7割、70代では9割以上の人に白内障の濁りが生じ、80代ではほぼ全員に認められるとされます。進行は通常ゆっくりで、初期は自覚症状が乏しいこともあります。
- 先天性白内障
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生まれつき水晶体が濁っているタイプです。原因として遺伝的要因や母体妊娠中の風疹感染などが挙げられ、乳幼児期から視力に影響を及ぼします。視力の発達を妨げないよう、できるだけ早期に手術で濁りを除去する必要があります。
- 外傷性白内障
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事故やケガで目に強い衝撃を受けたことが原因で生じる白内障です。眼球をぶつけたり物が当たった後、すぐに発症する場合もあれば、数年経ってから徐々に濁りが進行するケースもあります。他の白内障と比べて進行が早い傾向があり、視力への影響も急速に現れることがあるため、早めの手術対応が求められます。
- 併発性白内障（合併白内障）
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他の病気に伴って発症する白内障です。目の病気ではぶどう膜炎や緑内障、網膜剥離などの炎症や障害によって水晶体が濁ることがあります。また全身の疾患では糖尿病やアトピー性皮膚炎などが誘因となりうるほか、長期のステロイド薬使用の副作用として生じる場合もあります。こうした場合、若い世代でも白内障が進行しやすく、早めの眼科受診と治療が重要です。
※なお、白内障は進行度合いによっても分類されることがあります（初発白内障、成熟白内障など）。
白内障の症状と進行パターン
白内障が進行すると、主に次のような症状が現れます。
- 視界のかすみ・ぼやけ
- まぶしさの増加（羞明）
- 視力低下と生活への支障
白内障が進行すると、この画像のように全体的に視界がぼやけてかすんで見えるようになります。透明だった水晶体が白濁するため、まるで曇ったガラス越しに景色を見ているかのような状態になります。
その結果、遠くの建物や人の顔がはっきりせず、新聞や本の文字も読みづらく感じます。初期の段階ではゆっくりと進行するためご自身では気付きにくいこともありますが、少しでも「見えにくい」「かすむ」と感じたら早めに眼科で検査することが大切です。
また、白内障の症状として強い光がまぶしく感じられる現象（羞明〈しゅうめい〉）も典型的です。夜間に車を運転する際、対向車のヘッドライトや街灯がこの写真のようににじんで眩しく見える場合があります。
健康な水晶体であれば光を正確に屈折させますが、白濁した水晶体では光が拡散してしまうためです。その結果、暗い場所での作業や夜間運転に支障をきたし、安全面にも影響が出ることがあります。普段より光をまぶしく感じ始めたら、白内障の進行を疑って検査を受けましょう。
進行のスピードには個人差があります。加齢性白内障は通常ゆっくりと数年〜数十年かけて進みますが、糖尿病が原因の白内障やアトピー性白内障では40代前後の比較的若い段階で急速に悪化する例もあります。
逆に自覚症状がないままかなり進行してしまい、視力低下に慣れて気づかない高齢者の方も少なくありません。白内障は放置すれば最終的に失明につながる可能性もある病気です。しかし適切な時期に手術を受ければ視力は改善できますので、症状が進んできたら早めに眼科医と相談し、治療のタイミングを検討しましょう。
白内障の手術
白内障の治療は、初期には進行を遅らせる点眼薬を使うこともありますが、根本的に視力を回復させるには手術が唯一の方法です。手術では濁った水晶体を取り除き、その代わりに人工の水晶体（眼内レンズ）を挿入します。
現在の白内障手術は技術が進歩しており、通常は局所麻酔のもと10～15分程度で片眼の手術が終わります。手術中は痛みを感じることはほとんどなく、麻酔の目薬や注射により強い痛みは抑えられるのでご安心ください。
当院では、白内障手術後にお休みいただける部屋をご用意しています。
- 手術は日帰りで行いますが、当院では『日帰り入院』として対応しております。
よくある質問
深見眼科での白内障治療のご案内
白内障と診断され不安を感じている方、手術を受けるか迷っている方は、ぜひ深見眼科にご相談ください。当院では白内障の検査・診断から日帰り手術・術後ケアまで一貫して対応しています。
手術は白内障治療の経験豊富な眼科専門医が担当し、安全に配慮して行います。術前には十分な検査とカウンセリングを行い、手術の流れについて丁寧にご説明します。患者様やご家族の不安を軽減できるよう安心のサポート体制で臨んでおりますので、リラックスして治療に臨んでいただけます。
深見眼科では、日帰り手術ができるので安心との評価もいただいております。手術後は翌日から定期的に経過観察を行い、術後の見え方の変化やお困りごとについてもしっかりフォローいたします。
院長以下スタッフ一同、地域の皆様の大切な目の健康を守るために尽力しております。白内障は適切な治療で必ず良くなる病気です。ご自身やご家族の目に少しでも不安がありましたら、「この程度で受診していいのかな？」と遠慮なさらずにお気軽にご来院ください。皆様が安心して白内障手術を受けられるよう、深見眼科が全力でサポートいたします。
日本眼科学会： https://www.nichigan.or.jp/public/disease/
参天製薬：https://www.santen.com/jp/healthcare/eye/library/cataract
