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暗い場所で目を動かすと光がピカッと走る
視界の端にキラッとした光が一瞬見える
こうした症状は「光視症(こうししょう)」と呼ばれます。
実際には存在しない光を感じる症状で、加齢に伴う生理的な変化であることも多い一方、網膜裂孔や網膜剥離の初期サインである場合もあります。
この記事では、光視症の代表的な見え方のパターン、原因、よく混同される「閃輝暗点」との見分け方、そして放置した場合のリスクについて詳しく解説します。
光視症の見え方の特徴

光視症の見え方は患者さんによってさまざまですが、いくつかの代表的なパターンがあります。ご自身の症状と照らし合わせてみてください。
- 「ピカッ」「チカッ」と一瞬だけ光が走るタイプ
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暗い部屋で急に目を動かしたときや、横になって寝返りを打ったときに、視界の端(周辺部)に稲妻のような白い光が一瞬走ります。これが最も一般的な光視症のパターンです。
原因は、眼球の中を満たすゼリー状の組織「硝子体(しょうしたい)」が網膜を物理的に引っ張ることです。網膜の視細胞は光を受け取る細胞ですが、引っ張られるという機械的な刺激でも反応し、脳が「光」として知覚してしまいます。
加齢に伴って硝子体が縮む過程(後部硝子体剥離)で起こることが多く、50〜70代で特に多く見られます。
- 「カメラのフラッシュ」のように明るく光るタイプ
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後部硝子体剥離が活発に進行しているときに見られることがあります。一瞬ですが非常に明るく、はっきりした光として感じるのが特徴です。
飛蚊症(黒い点や糸くずが浮かんで見える症状)の急な増加を伴う場合は、網膜裂孔が生じている可能性があるため注意が必要です。
- 「キラキラ」「ギザギザ」の光が数分〜数十分続くタイプ
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このパターンは厳密には光視症ではなく「閃輝暗点(せんきあんてん)」と呼ばれる別の症状です。
視界の中央付近にギザギザの光の輪(城壁のような形と表現されることもあります)が現れ、10〜30分かけてゆっくり広がり消えていきます。脳の視覚野の血管変化が原因で、片頭痛の前兆であることが多いです。
光視症で感じる光は実在しないため、目を閉じていても光が見えることがあります。これが、通常の外からのまぶしさと異なる重要なポイントです。
光視症の原因

- 後部硝子体剥離(最も多い原因)
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加齢に伴い硝子体が液化・収縮し、網膜の表面から剥がれていく生理的な過程です。60代以降のほとんどの方に起こります。硝子体が網膜から離れるとき、まだ網膜に接着している部分が引っ張られて光視症が生じます。
近視の強い方は眼球が大きく、硝子体の液化が早く進むため、40〜50代で起こることもあります。後部硝子体剥離自体は病気ではありませんが、剥離の過程で網膜を強く牽引すると網膜裂孔が発生するリスクがあるため、光視症を自覚したら眼底検査を受けることが強く推奨されます。
- 網膜裂孔・網膜剥離(緊急性の高い原因)
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硝子体が網膜を強く引っ張った結果、網膜に穴(裂孔)が開くと光視症が生じます。
この場合は飛蚊症の急激な増加や、視野の一部が暗くなる(カーテンがかかったように見える)症状を伴うことが多く、緊急性の高い状態です。裂孔から液化硝子体が網膜の下に入り込むと、短期間で網膜剥離に進行します。
- 閃輝暗点(片頭痛関連)
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脳の後頭葉にある視覚野の血管が一過性に収縮・拡張することで起こります。両目に同じパターンの光が見えるのが特徴で、通常10〜30分で自然に消失し、その後に片頭痛が続くのが典型的です。
ただし50歳以上で初めて閃輝暗点が出現し、頭痛を伴わないタイプは、一過性脳虚血発作(TIA)との鑑別が必要です。TIAは脳梗塞の前触れとされており、光の症状だけで安心してしまうと重大な脳血管障害を見逃すおそれがあります。
- その他の原因
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眼球をぶつけた際に「星が飛ぶ」のも光視症の一種です。また、視神経炎(視神経の炎症)では眼球を動かしたときに光が見えることがあります。
後頭葉の脳腫瘍や脳血管障害でも光視症が出現する場合があり、持続的な症状や他の神経症状を伴う場合は脳神経外科での精査が必要です。
光視症と閃輝暗点の見分け方
光視症と閃輝暗点は「実在しない光が見える」という点では共通していますが、原因も対処法も大きく異なるため、正しく区別することが重要です。
- 簡単なセルフチェック
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片目ずつ交互に閉じて確かめてみてください。片方の目を閉じると光が消える場合は、開いている側の眼球の問題(光視症)の可能性が高いです。どちらの目を閉じても同じ光が見える場合は、脳側の問題(閃輝暗点)が疑われます。
- 見え方の違い
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光視症は視界の端に稲妻のような光が一瞬走るパターンが多く、暗い場所で目を動かしたときに起こりやすいのが特徴です。片目だけに起こることがほとんどです。
一方、閃輝暗点は視界の中心〜やや外側にギザギザの光が現れ、10〜30分かけてゆっくり広がって消えるのが典型的です。両目に同じパターンが見え、持続時間が長いのが大きな違いです。
放置するとどうなる?光視症を見過ごすリスク
- 網膜裂孔から網膜剥離への進行
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光視症の最大のリスクは、網膜裂孔の見逃しです。裂孔の段階で発見できれば、レーザー光凝固という外来治療(10〜15分・入院不要)で裂孔周囲を焼き固めて進行を防げます。
しかし放置して網膜剥離にまで進行すると、硝子体手術などの入院手術が必要になります。
網膜剥離が黄斑部(ものを見る中心)にまで及んだ場合、手術が成功しても視力が完全には回復しないことがあり、ものが歪んで見える変視症が後遺症として残ることもあります。「一度でも光が見えたら検査を受ける」という意識を持つことが、視力を守る最善の方法です。
- 脳血管障害のリスク
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閃輝暗点で頭痛を伴わないタイプの場合、一過性脳虚血発作(TIA)のサインである可能性があります。TIAの後48時間以内に約5%の方が脳梗塞を発症するとされています。50歳以上で初めて閃輝暗点を経験した場合や、しびれ・言葉のもつれを伴う場合は、眼科だけでなく脳神経外科の受診も検討してください。
受診の目安
光視症を自覚した場合、以下の状況では特に緊急度が高いため、当日中の受診をおすすめします。
光が走る頻度が急に増えた場合。飛蚊症の急な増加を伴う場合。視野の一部が暗くなった、欠けている場合。視力が急に低下した場合。
これらは網膜裂孔・網膜剥離のサインである可能性があり、一刻も早い眼底検査が理想です。検査では散瞳(瞳を広げる点眼薬を使用)を行いますので、お車やバイクでのご来院は控えてください。散瞳後は4〜5時間ほどまぶしさとピントの合いにくさが続きます。
閃輝暗点が月に数回以上と頻繁な場合や、頭痛を伴わないタイプの場合は、片頭痛の管理や脳血管障害の除外のため、脳神経外科への相談もおすすめします。
よくある質問
深見眼科での光視症の診察
深見眼科では、光視症を訴える患者さんに散瞳眼底検査を実施し、網膜の全周を詳しく観察して裂孔や変性の有無を確認します。OCT(光干渉断層計)検査で網膜の断面構造も精密に評価し、硝子体と網膜の関係を正確に把握します。
網膜裂孔が見つかった場合は迅速にレーザー光凝固治療を行い、網膜剥離への進行を防ぎます。検査で異常がなかった場合でも、後部硝子体剥離の進行中は後日裂孔が生じる可能性があるため、1〜2週間後の再検査をご案内することがあります。
光視症の原因が眼球側ではなく脳側(閃輝暗点)と考えられる場合は、脳神経外科への紹介も行います。
まとめ
光視症は「実在しない光が見える」症状で、多くは加齢に伴う後部硝子体剥離による生理的な現象です。しかし網膜裂孔・網膜剥離の初期サインである可能性もあり、放置すれば失明リスクにつながります。
裂孔の段階であれば外来レーザー治療(10〜15分)で対応可能ですが、網膜剥離に進行すると入院手術が必要になり、視力も完全には回復しないことがあります。
また、ギザギザの光が数十分続く閃輝暗点は脳の問題であり、頭痛を伴わない場合は脳血管障害の可能性も考慮する必要があります。いずれの場合も「一度でも光が走ったら検査を受ける」ことが鉄則です。
光視症でお心当たりのある方は、豊田市の深見眼科へお早めにご相談ください。

